第一種放射線取扱主任者講習 第5章 講習4日目 レポートは余裕

放射線取扱主任者講習4日目です。

・9:30から実習のための講義が30分
・10:10~13:10まで実習して昼休憩
・14:10~17:00まで実習

といったスケジュールになっていました。

レポートの再提出がある方は机の上においてあります。

付箋に書かれた内容のとおり訂正し再提出します。

今日の実習は午前と午後で16名と16名の半分に分かれて実習します。

実習講義 Ge半導体検出器を用いたγ線スぺクトロメータ

本日の実習で使用するGe半導体検出器の講義があります。

Ge半導体検出器とNaI(Tl)シンチレーション検出器のγ線スペクトルの違い、それぞれの検出器のメリットデメリットを比較する問題が試験に出ました。

Ge半導体検出器もNaI(Tl)シンチレーション検出器と比較してどうかということに注目して理解を深めておいてください。

実習4 γ線巣ペクトロメトリによる濃度測定

実習内容
この実習では2つの実験を行います。

①Ge半導体検出器を用いたγ線スぺクトロメータにより定量する際に必要なピーク計数効率のエネルギー依存性を、標準体積線源を用いて求める。

②放射線廃液のγ線スペクトルを測定し、含まれている放射線同位元素の核種を同定し、先に得られたピーク計数効率曲線を用いて放射線濃度を求め、廃液の処理について考察する。

●実習内容の簡易説明
①の説明
16名のグループですが、その中でも8名と8名に分かれて実習していきます。

この分かれた8名と8名で同じ実習をするのですが、事前に与えられている線源の検定時からの経過時間が違います。

109Cd、57Co、139Ce、51Cr、85Sr、137Cs、54Mn、88Y、60Coの線源それぞれのピーク計数率を求めます。

しかし、計算が多すぎるのでこの中から自分が担当する核種は1つです。

109Cdの値は先生が与えてくれますので109Cdを除いた8核種を8人で分担してレポートの欄をうめていく感じです。

この実習ではたくさんのグラフを扱いますが、火曜、水曜の実習で慣れてきているのであまり苦戦しないと思います。計算は沢山ありますが、先生の指示通りに落ち着いて計算してください。

レポートの表が完成したら横軸にエネルギー(keV)、縦軸にピーク計数効率の両対数グラフにそれぞれの線源の値をプロットしてγ線エネルギーとピーク計数効率の関係のグラフを完成させます。

②の説明
この実習の始めにペアで50mlの廃液を容器にいれる作業をしておき、あらかじめGe半導体検出器で100分間計測します。

①が終わるころには計測が終了しています。

得られたスペクトルから各種のエネルギーがわかるので、これをもとに核種を同定します。

①で求めた「γ線エネルギーとピーク計数効率の関係のグラフ」からこの核種の計数効率を読み取ります。最終的に廃液の放射能濃度を計算してこの廃液は排水できますか?といった内容です。

計算、グラフが実習中一番多いですが、最終日ということもあってみなさん慣れてきているので特に心配する必要ありません。先生の話をしっかり聞いてミスなく計算していきましょう。

この記事の最初にも書きましたが試験にはGe半導体検出器とNaI(Tl)シンチレーション検出器それぞれの特徴を問う問題が出ますのでそれぞれの理解を深めておいてください。

実習5 表面汚染密度の測定及び汚染除去

実習内容
この実習では2つの実験を行います。

①32P(リン酸塩水溶液)によって汚染させたプラスチックタイルおよびアクリルタイル板の表面の放射性の同位元素の密度(表面汚染密度)を直接測定法と間接測定法により測定する。

②51Crで汚染された布を3種類の除洗剤(水、中性洗剤、EDTA)で洗い、それぞれの除染係数を求める。

●実習内容の簡易説明

①の説明
表面がつるつるしたアクリルタイル(拭き取りやすい)とざらざらしたプラスチックタイル(拭き取りにくい)それぞれにおいて下のa~gを行います。

a. GM計数管式サーベイメータで汚染範囲を特定し印をつける

b. 除染前の汚染個所における表面密度汚染を直接測定法にてGM計数管式サーベイメータで計測

c. 拭き取りろ紙にて除染を行う

d. 除染後の汚染個所における表面密度汚染を直接測定法にて GM計数管式サーベイメータで計測

e. cで使用した拭き取りろ紙をGM計数装置(サーベイメータではない)で計測←間接測定法

f. 得られた計数値を使用して直接測定法及び間接測定法それぞれの式にて表面汚染密度を算出する

g. それぞれのタイルの材質の違いによる拭き取り効率の比較・放射線障害防止法で定められた表面密度限度及び管理区域から持ち出す場合場合の数値との比較、基準を超えている場合の対処の考察を行う

※一応基準を超えている場合の対処の考察の補足です。
基準を超えている場合は人が触らない、汚染が広がらないような措置が必要です。そのためろ紙でカバーする。(日付と核種と表面汚染密度など記載)貯蔵室で人が触れないように保管するなどが有効です。
半減期が短いものは保管し減衰を待つことで持ち運びが可能になります。

その他の考察は問題ないと思います。

この実習からは2問試験問題に出ました。非常に重要です。

特に直接測定法及び間接測定法それぞれの特徴と注意点を理解できるようにしておいて下さい。
「講義4 放射性汚染の除去と放射性廃棄物の処理」の講義スライド資料のNo9にまとまっていますのでご参照ください。

また直接測定法及び間接測定法の表面汚染密度の計算は確実にできるようにしておいてください。ワタシのときは間接測定法の計算が出ました。

 

②の説明

51Crで布を汚染させます。NaI(Tl)シンチレーション計数装置で除染前の計数率を求めます。

その布を3種類の除洗剤(水、中性洗剤、EDTA)で洗いそれぞれの計数率を求め、どのくらい落ちたかの指標である
除染係数=除染前の計数率/除染後の計数率
を求める。というものです。この実習は計算等はあまりなくシンプルですので実験手順通りにやれば大丈夫です。

ここからは試験に出ていませんでした。考察の「除洗剤の違いにおける除染係数の違い」を理解できていれば問題ないと思います。核種の化学系によって除洗剤を使い分けることが大切です。

レポート提出

この日のレポート提出期限は原則本日中です。

しかし、無理なく可能な内容です。最終日は実習も予定時間より早く終わりますし、ほとんど計算の欄も実習中に記入されてしまいます。

残るは考察のみの状態になっています。考察もいつも通り先生が教えてくれます。遅くても18:30には書き終わるのではないかと思います。

ちなみにワタシは17:30に終わりました。その程度とお考え下さい。

明日は試験です。ワタシの記事を参考にしてもらいながら、講義や実習で先生が大事と言っていたところを集中的に復習してください。

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