放射線取扱主任者講習5日目です。最終日です。
・09:30~12:30まで講習して、昼休憩
・13:20~16:00まで講習して、10分休憩
・16:10から試験の説明、問題・答案用紙の配布
・16:15~17:15まで修了試験といったスケジュールになっています。
「講習スケジュール表」が講習1日目に配られていますが、実際は「講習スケジュール表」より前倒しのスケジュールです。
朝、いつものようにレポートの再提出がある人は机の上においてあります。
先生がいつも通り丁寧に訂正してくれていますので再提出も即座に終わります。最終日は再提出になっている人は少なかったですね。
さて、この記事では最終日の講義内容は簡単にまとめて主に試験に出たところと大事なところのまとめをしていきます。
この記事を見て頂ければ、確実に試験合格できるように、できる限り記憶を振り絞って試験内容をまとめています。是非あなたの第一種放射線主任者講習の修了試験対策に役立てて頂ければと思います。
講義-7.放射線施設の安全管理
午前の講義です。この講義では施設基準の話がメインです。そこから試験に出ます。
この講義では先生が、試験に出る部分をあからさまに強調してくれました。
キーワードは「貯蔵施設」「耐火性」です。
・許可使用者(特定許可使用者)でも届出使用者でも密封線源をのみ扱う場合の貯蔵施設は「貯蔵室、貯蔵箱、耐火性の容器」の3つだということ。
・使用施設・廃棄施設の主要構造は「耐火構造又は不燃材料」であるのに対し、貯蔵施設は「耐火構造」のみです。とにかく貯蔵施設だけは燃えてほしくない!ということを覚えておいてください。
この講義で試験に出たのは以上のところです。あとは先生の強調したところを聞き逃さないようにして下さい。
講義-8.装備機器・発生装置の安全管理
午後の講義です。この講義では放射線を使用した様々な機器の講義です。
冒頭に先生から「僕の講義から出る問題は、後で休憩時間の時に盗み見てみなさんに教えますから、気楽に聞いて下さい。」といったありがたいお言葉を頂きました。(笑)
講義のトイレ休憩の後に本当に全部教えてくれましたよ。
まとめ
- 直線加速器は高周波電場によって加速する
- エネルギーが1MeV未満の電子線およびX線を発生する装置は放射線障害防止法の規制対象にならない
- シンクロトロンは線形加速器(ライナック)が必要であるが、サイクロトロンは必要ない
以上が試験に出ました。これが理解できていれば確実に解ける問題です。
修了試験
いよいよ修了試験です。問題は15問で6割以上が合格ラインです。単純計算で9問以上正解しないといけません。試験は選択式ですが、基本4門中2問の正解を選ぶパターンです。
※選択肢の例
①A.B ②A.C ③B.C ④B.D
試験問題は各講義から1問、実習から1問と思ってもらって良いです。簡単に言ってますけど範囲広すぎですね。でも大丈夫です。ぼくに記事で出来る限りまとめました。ちなみに計算機は持ち込み不可です。
以下が出題問題のまとめです。すべての問題ではないですが記憶を振り絞って書きました。
●主任者の選任
「放射線取扱主任者の選任と届出、放射線障害予防規定の作成と届出」はよく復習しておくことをお勧めします。
●異常時の措置
- 異常時に何処へどの位の期間内に何を報告しなければならないか
- 盗取されたときの対応(警察への報告とかありましたっけ?)
- 危険時の措置(1.安全確保 2.通報 3.拡大防止 4危険性評価 の順で対応)
●個人線量計の種類
一番の盲点ですが、半導体式ポケット線量計だけでなく、OSL線量計や熱ルミネッセンス線量計の原理が出ます。実習1.2の先生の話をよく聞いて下さい。
●放射線の単位
講義-5からの出題です。フルエンス(m2又はcm2)、Gy又はSv=J/kg、など基本的な単位とその単位をSI単位に変換できるようにして下さい。
●間接測定法の計算
スミア法の計算が出ました。直接測定法と合わせて表面汚染密度(Bq/cm2)を算出できるようにして下さい。
●貯蔵庫の基準
この記事の講義.7に書いた通りです。許可使用者(特定許可使用者)でも届出使用者でも密封線源をのみ扱う場合の貯蔵施設は「貯蔵室、貯蔵箱、耐火性の容器」の3つだということ。
使用施設・廃棄施設の主要構造は「耐火構造又は不燃材料」であるのに対し、貯蔵施設は「耐火構造」のみです。とにかく貯蔵施設だけは燃えたくないということを覚えておいてください。
●加速器の種類・加速原理
この記事の講義.8に書いた通りです。
- 直線加速器は高周波電場によって加速する
- エネルギーが1MeV未満の電子線およびX線を発生する装置は放射線障害防止法の規制対象にならない
- シンクロトロンは線形加速器(ライナック)が必要であるが、サイクロトロンは必要ない
ということを覚えておいてください。
●NaI(Tl)検出器と比較したGe半導体検出器の特徴
両者の比較が大事です。特徴やデメリットをおさえておいて下さい。「例えばGe半導体はNaIシンチレータよりエネルギー分解能はいいですが、感度は悪いです。」実習テキストp.39~45まで一度目を通しておくといいと思います。
●GM計数管
- 低エネルギーβ線(3Hなど)の計測に適しますか?
- GM計数管において連続放電はどの様なときに起こるか?
- GM計数管の窓は非常に薄くて割れやすいということ
以上は確実に答えれるようになっておいてください。
●スペクトロメトリ
実習3の3.4の考察が非常に大切です。
- エネルギー校正が必要なときはどんな時ですか?
- 遮蔽や、距離による減弱においてはエネルギー校正は必要ですか?
以上の事には確実に答えられるようになって下さい。
これ以外にも先生が強調したところは覚えておくようにして下さい。実際、講義や実習以外のところも修了試験に出ますので満点は至難の業です。
第一種放射線取扱主任者試験から日が浅い人のほうが知識がフレッシュなので有利なのは間違いないといった内容です。
結果発表
16:15~17:15の試験で早く終わった人から退室します。
待機室ではみなさん同じようなコメント「たぶん大丈夫だけど難しかった。」とくに講義1と2から出題の「主任者の選任」と「異常時の措置」の問題ははみなさん微妙だったようです。表現が曖昧な問題が出るので講習期間内で確実に把握するのは至難です。
試験終了時間の17:15になると全員講義室に集合させられます。
その後、5分ほどで発表がありました。
今回は全員合格でした。
講義室はもりあがります。単純にワタシも嬉しかったです。17万払って落ちるってキツいですからね・・・とにかくまずはパートナーに感謝を伝えました。
最終的にはパートナーだけでではなく全体として不思議な仲間意識が芽生えていました。
講習まとめ
とにかく毎日忙しく、最終日に修了試験が控えているので心休まるときはないです。←実際は毎日飲みにいっても合格できます。
第一種放射線取扱主任者講習において、ワタシが思う大切なことが2つあります。
①パートナーとの信頼を築く
講習の5割は実習です。ほとんどパートナーと共に行動します。パートナーが終わらないと自分も終われません。
パートナーが自分よりできない人であれば助けてあげて下さい。逆に自分が出来ないと思う人はパートナーのために予習を人一倍して下さい。お互いの関係を良好にすることが実習成功の秘訣です。
またパートナー以外ともコミュニケーションを積極的にとることをおすすめします。実習や試験対策の戦力になることはもちろん、職業的にパイプが出来たり、講習期間中、共に飲みに行くほど仲良くなったりもします。
ワタシは講習2日目くらいからは仲良くなった同職の方と毎日飲みに行っていました。単純に楽しかったです。
②先生の話を第一に聞く
あたりまえと思うかもしれませんが、実習中は計算に集中するとそればかりになってしまいます。先生の話を聞き逃すといったことが多々ありました。
計算は実習終わってからやればいいんです。先生の話は実習や試験の答えと思ってください。聞き逃しが命取りになることもあります。とにかく先生の話Firstに徹することが合格のカギです。
まとめ
修了試験はみなさんが思っているより難しいです。
専門的な事を問われます。しかし、ここ何年も不合格者はいません。ここから言えることは落とす試験ではないということです。おそらく6割達していなくても、部分点のようなもので調整されるのでは?と推測します。
しかしながら全く出来ないと追試験でしょうし最悪の場合、不合格の可能性もあります。ですから出来る限りは努力してください。
ワタシはほぼ毎晩飲みに行きましたが、ホテルに帰ってからは、最低でも実習の復習をして、何をやったかを理解してから寝ていました。
ワタシと毎日のみに行ってた人は、朝でも昼でもいつでもスマホゲームしてました・・・しかも第一種放射線取扱主任者試験に合格したのは10年前です。当然、苦戦していましたが、合格していました。
あなたも絶対大丈夫です。ぼくの記事が少しでも役に立てば幸いです。